桂図書館 1F/2F
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の感染拡大を受け、公共の場で人の密を検知することは重要な社会課題です。桂図書館をフィールドとして、反射光から対象の距離や方向などを測定できるLIDAR(Light Detection and Ranging、Laser Imaging Detection and Ranging)で「密」な状態を検出する実証実験を実施します。
今回実験を実施する新熊教授は、人や様々なモノの接点をリアルタイムで検知するスマートモニタリングに向けて、ネットワーク型高速・省電力イメージセンサデバイスの開発を進めてきました*1。既に、京都大学や京都市内において、LIDARを複数箇所設置し、LIDARによって観測された三次元イメージセンサデータから物体を自動検知するシステムは自動車等で確立されています。
しかし、屋内において、複数の人が重なり合った状態、いわゆる「密」な状態などではLIDARからどう検出するかという点で学術および技術的な課題があります。そのため、公共の場である桂図書館をフィールドとして実証研究を進めることにより、LIDARを用いた密検知システムの構築を目指しています。今回の実験では、6機のLIRARを、桂図書館の入り口、自習スペース、休憩スペースに2機ずつ配置し、1年間の長期データを取得予定です。
将来的には検知能力や処理スピードの向上に伴い、密検知だけなく密回避のためのアラート発出や、監視カメラだけでは困難だった屋内での何らかの異変をリアルタイムに検出できる安心安全なライブラリーへの貢献に向けて取り組んでいます。
注)*1 https://sites.google.com/view/lidar-ku/?pli=1&authuser=1