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新しい光触媒で、カルボニル化合物の還元反応を開発したい!

RESEARCHER
カルボニルの還元。カルボニル化合物を還元してアルコールやアミンにする反応は、有機合成化学における基本的な反応である。しかし、エステルやアミドの還元はそう容易ではない。たとえば、取り扱いに注意が必要なヒドリド還元剤や、水に入れると爆発するナトリウムのような危険な試薬など、高反応性かつ高価な試薬を必要とする。

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光触媒による還元反応。ナトリウムなど反応性の高い試薬を使わずに有機合成するために、光を使うことを考えた。光のエネルギーを吸収する光触媒を用いる反応は、多くの研究がなされている。カルボニル化合物に関しては、光触媒によるアルデヒド・ケトンの還元は既に知られている。しかし、エステルやアミドの還元は、イリジウム錯体のような汎用的な光触媒ではパワー不足で還元ができず、難しいと考えられていた。 そこで、高反応性還元剤を必要とせず、可視光がエネルギー源となる、より穏やかで持続可能な反応を目指して研究を進めた。

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「<i>N</i>-BAP」の合成。エステルの還元を目指して、新しい光触媒として「N-BAP」という化合物を開発した。単純な構造であり、既成の市販品から一段階で合成できるが、今まで合成例がなかった新しい化合物である。

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「<i>N</i>-BAP」の光特性と電気化学的特性。<i>N</i>-BAPは、イリジウムやルテニウムのような貴金属を含まず、こうした金属錯体と同等以上の強い還元力をもっていることが特徴である。

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エステル還元。<i>N</i>-BAPを用いてエステルの還元を行ったところ、反応させることに成功した。光触媒となる<i>N</i>-BAP、シュウ酸アンモニウム、エステルを入れて青色の光を当てながら反応を行ったところ、89パーセントの還元率であった。<i>N</i>-BAPはシュウ酸塩から電子をもらい、エステルに渡すことによって、エステルの四電子還元を起こせるのだ。 現在、<i>N</i>-BAPを用いて、アルコールへの還元だけではなく多様な反応への展開を目指して研究を進めている。

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光触媒による多電子還元。現在、光反応は有機合成において注目されている。光反応では電子が1つずつ移動することで、ラジカル種が生じる。つまり、有機合成化学の分野では、光反応はほとんどがラジカル反応であった。しかし、複数回の電子移動を経由することで、この反応性を変え、イオン反応を起こせるはずである。それにより、従来とは真逆のカルボニルの反応性を開拓できるのではないかと考えた。

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カルボニル化合物の反応性。

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光触媒によるアルデヒドおよびケトンの2電子還元。アルデヒドやケトンの光触媒多電子還元について研究していた。そのために様々な光触媒反応を研究していた最中で、イリジウム光触媒や、DMBIという電子源が使えることを発見した。DMBIのラジカル種は強い還元力をもつが、これは光を吸収しないので、そのまま光反応としては使えない。そこで、DMBIをベースとして、光を吸えるように改良することで、光触媒化し、新しい反応に使うことを考えた。様々な試行錯誤をした結果、ようやく<i>N</i>-BAPの開発にいたった。

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エステル還元の難しさは2つある。一つは、還元されにくく、イリジウムのような既知の光触媒では還元力が足りないことである。もう一つはエステルをアルコールまで還元するためには、4電子が必要なことである。光反応においては、基本的に電子は1つずつ移動するため、アルコールへの還元を進行させるためには、この一電子移動を4回行う必要がある。しかし、有機反応は複雑になればなるほど、コントロールが難しく、収率も低下する。

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開発した光触媒であるジアザベンゾアセナフテニウム(<i>N</i>-BAP、実物)とその分子模型。

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どんなタネ?

有機合成化学の分野で、とくにカルボニル化合物の還元をテーマに、新しい反応を開発することを目指しています。

エステルやアミドを還元してアルコールやアミンにする反応は、有機合成の基本的な反応の一つです。一方、これらは還元されにくいことから、高反応性で取り扱いが難しい金属還元剤を必要とするという課題があります。そこで、光触媒を用いて、光のエネルギーを利用した反応を開発できないかと考えました。

アルデヒド・ケトンの光還元に比べて、エステルやアミドの光還元は、その還元されにくさから、難しいと思われていました。本研究では、単純な有機化合物であり、貴金属を含まずとも、それらに匹敵するような強い還元力をもっているN-BAPという新しい化合物を合成し、エステルを還元することに成功しました。

なぜ研究を始めた?

カルボニル化合物の反応性は、大学の教科書でもはじめの方に掲載されています。例えばグリニャール反応やアルドール反応など有機合成の著名な反応も、カルボニル化合物が関わっています。カルボニル化合物は、電子対を受け取る求電子的な試薬であり、電子対を与える求核剤と反応するということが定説です。この基本的な反応形式を変えたいと思ったことが研究を始めたきっかけです。そこで、逆の反応性を開拓するために、カルボニル化合物を求核的にするということを考えました。

もともとは、アルデヒドやケトンを求核的に変換する光反応を研究していました。その過程で、イリジウムを光触媒として、ベンゾイミダゾリン(DMBI)が電子源として使えることを発見しました。このDMBIのラジカル種は強い還元力をもちますが、可視光を吸収しないので触媒としては使えません。そこで、このDMBIを改良することで、新たな光触媒を開発できるのではないかと考え、試行錯誤した結果、生まれたのがN-BAPです。

なにを変える?

エステル還元は著名な反応ですが、実は簡単な反応ではありません。光エネルギーを使い、カルボニル化合物の反応のプロセスを改良することにより、この反応にかかる手間が減り、より実用的になることが期待されます。また、カルボニル化合物というのは、有機化合物の中心ともいえるような広く存在する化合物であり、その反応であるエステル還元なども、医薬品や農薬など、様々なものづくりに必要不可欠な反応です。有機合成の主目的は、簡単な化合物から、いかに環境にやさしく、コストを抑えて複雑なものを合成するかであると考えており、そのような観点から新しい反応を開拓し、貢献したいと考えています。

さらに、N-BAPという分子の可能性は、触媒だけではないと考えています。たとえば、電子材料などエレクトロニクスの分野でも使えるかもしれません。N-BAPを通して、持続可能性の高い光反応を実現することで、アルコールへの還元のみならず、様々な反応に展開することを目指して研究を進めています。

なにが必要?

私たちは、有機合成化学の観点からN-BAPという新しい化合物の展開をしています。しかし、電子材料など、合成以外の可能性もあると考えています。ぜひ、他分野の方々にも、N-BAPの構造や還元力などの特性に注目していただき、コラボレーションができれば嬉しく思います。

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