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多様な元素を活かし、光るメカニズムを解明し、発光材料の可能性を広げたい!

RESEARCHER
現状の発光性有機分子は、炭素や水素、酸素からできた骨格と、数種類のヘテロ元素や金属元素との限られた組み合わせの中から得られてきた。一方、元素は非常に多様であり、発光性有機材料に様々な元素の性質を組み合わせることで無限の可能性が生まれる。

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これまでホウ素を使った研究が発展してきた。この発光性のホウ素錯体に対して、中心元素のホウ素をガリウムに変換した。 これにより色変化のメカニズムの解明を進めると共に、溶媒の蒸気をあてると応答性の違いが出るという機能の変化を実現した。

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中心元素のホウ素からガリウムへの置換は、低分子ではあまり色の変化が起こらなかった一方でガリウム錯体では、溶媒の蒸気を吸着して発光色が変化するという応答性の違いがあった。 また、高分子では、ホウ素錯体の発光色は黄緑だったのに対してガリウムではオレンジと、色の変化が見られた。高分子にすることで元素の違いが見えてくるという結果はこれまでにほとんど報告されていない。この発光色の違いは、高分子になると元素の違いによるエネルギー準位の変化が顕在化することに起因すると考えられる。

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錯体の中心元素を、アルミニウム、ガリウム、インジウムと重たくしていく実験を行った。中心元素が重くなるほどリン光性が強くなった。また、低分子でも色の変化が起きるという結果を得た。

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開発した異なる色の発光材料

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既存の発光材料は、固体の場合ほとんど光らない。これは、ふつうの発光性の分子は平らな板状の化合物であり、溶液にすると一枚の板として存在し、単一分子の性質として発光するが、固体では分子間の相互作用によって板同士で集まってしまい、単一分子の性質を失うためである。 研究では、溶液でも固体でも光る材料を探索することに成功した。開発した錯体は、溶液でも固体でも光る。これは立体的にかさ高い構造を持っており、固体でも単一の分子の性質が維持されるためだと考えられる。

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近赤外領域、長波長側の領域の光は生体を透過するため、「生体の窓」と呼ばれている。バイオイメージングでは、こうした領域で光る材料が求められている。この領域で光る材料をマウスに投与すると、近赤外の検出器でマウスの深部の血管の様子がよく見える。

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研究では、低分子の状態で、炭素を窒素に変えることで630ナノメートルといった比較的長波長状態で発光する材料「ホルマザン錯体」を入手し、これを高分子化することで、より長波長の750ナノメートルで発光させられることが分かった。 1000ナノメートルは血液の吸収率がやや高く、1200ナノメートルを超えると、血液に吸収されずに生体の深部を見ることが可能になるため、さらに長波長領域で発光する材料を得たい。また、現在発光の強度が弱いため、より強く発光する材料の開発を目指して研究を進めている。

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ホルマザン錯体の材料について、ホウ素をケイ素に変換すると分子の構造をより平面にできる。これを高分子化すると、ある材料では、溶液で950ナノメートル、フィルム状にすると1000ナノメートルを超えた近赤外-IIと呼ばれる領域で発光することが確かめられた。 元素の最適化と高分子化という二つの戦略を両立することで、新しい機能を付与することに成功したといえる。

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開発した発光材料のジケチミン錯体。溶液では発光しないが固体ではよく発光する。左3本はホウ素、右2本はガリウム(左:ヘキサン蒸気を封入、右:テトラヒドロフラン蒸気を封入)の錯体。

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開発した発光材料のジアルジミンホウ素錯体。溶液でも固体でもよく発光する。

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ジケチミン錯体の高分子。元素によって発光色が異なる。ホウ素(左):黄緑色、ガリウム(右):橙色。

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ホルマザンケイ素錯体の高分子。目には見えない近赤外領域で発光する。他のサンプルと異なり、赤外領域の光を吸収しているため深い青色に見える。

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どんなタネ?

新しい発光材料の開発を研究しています。中でも、身の回りの生活に欠かせない発光性有機材料について、現状、有機分子の骨格は、炭素・水素・窒素などの有機分子に少量のヘテロ元素や金属が含まれていますが、さらに多様な元素の性質を活かすことができないかと考えています。

これまで特殊な元素の例として、13族元素であるホウ素を利用すると強い発光性や生体適合性、刺激応答性などの多彩な機能が得られていました。しかしホウ素以外の例はほとんど知られていなかったため、元素を入れ替えた新しい材料の開発を進めています。例えばホウ素と同じ族のアルミニウムやガリウムなどを利用しています。また、高分子化によって新しい機能を付与することにも取り組んでいます。例えば、製膜性など、高分子は低分子では実現しづらい性質を簡単に達成できます。こうした研究から、発光の仕方や発光色の制御、色変化のメカニズムの解明などを進めています。

なぜ研究を始めた?

私たちの身の回りには、光るものがたくさん存在しています。研究を始めたそもそものきっかけは、光る色の違いはどのように起きるのかと興味をもち、それを知りたいと思ったことです。

実際に自分の作った化合物が光っているのを見るととてもワクワクします。色々な刺激にどのように応答するだろう?どんな風に変化するだろう?と、研究を進めることが楽しいという気持ちによって、モチベーションを保つことができています。

なにを変える?

身の回りで使われている発光材料にはまだ改良の余地があります。例えば、有機EL使われる高価な金属元素の量を減らしたり、バイオイメージングでは生体の奥深くを観察するために長波長領域で発光する材料が必要であったりします。

ここで、発光材料に使われていない元素がまだたくさんあります。発光のメカニズムを解明し、色々な元素を適材適所で使えれば、発光材料の未来を持続的に発展させられると考えています。また、例えば、電気を流すと光るのが有機ELですが、逆に光を吸うと電気が流れるのが太陽電池であり、実際に似ている材料が使われています。よく光る分子はよく電気を流したり、よくエネルギーを蓄えたりする傾向にあるため、太陽電池や光触媒など、有機材料が使われている他の光に関わる分野にも応用ができるかもしれません。

なにが必要?

近年、機械学習など情報分野の技術によって、化合物の性質が実際につくらなくても分かったり、合成も自動化されたりするなどの発展があります。しかし、まだ特定の分野にしか応用できていないと言えます。

私たちが進めているような、これまで使われていなかった元素を使い、その性質を明らかにしていく研究でも、機械学習や自動化の分野の方々と協力をして、学術的な信頼性を保ったまま効率化を進めることができれば嬉しく思います。新しい材料探索の効率化を進めれば、学術的にも産業的にも新しい進歩が得られるでしょう。

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INTERVIEW
桂産直便
多様な元素を活かし、光るメカニズムを解明し、発光材料の可能性を広げたい!

2024.4.8

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