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衛星画像をもちいたアルベドの推定方法を改良し、高精度な気候変動予測を実現したい。

RESEARCHER
アルベドとは、太陽光の放射エネルギーに対して地球等の天体がどのくらいの割合で反射するかを示す反射率。反射率が低いほど太陽のエネルギーが地球にこもり温暖化の原因になるため、気候変動モデルにおいても使われる重要な指標である。地球の平均は0.3°であり、雪氷領域や砂漠など白いと高くなり、海や森林など暗い領域は地表面が吸収するため低くなる。画像はJAXAのSGLIで取得したデータを基に作成した全球アルベドマップの一例。

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地球のアルベドマップは衛星画像からつくるが、地球観測衛星の高度や日にちによって、衛星の地球に対する角度が変化する。そうすると衛星から観測される反射率も見かけ上変化してみえるため、補正して、実際の反射率を出す必要がある。そのため、ある時刻の太陽の角度(太陽天頂核)と衛星のセンサの角度(センサ天頂角)、また二つの角度がどれくらい離れているか(方位角)の角度の組み合わせによってどのように見え方が変わるかを表すBRDF(双方向反射率分布関数)という関数がある。

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鳥取砂丘をフィールドに、BRDFの分布を10通りのモデルで確認している。 衛星画像を使い、衛星の幾何情報(太陽天頂角、センサ天頂角、相対方位角)をモデルに入れることもできるが、実際のアルベドの情報と比較して検証することができない。そこで、地上で、自分たちが把握できる環境において、実際にこれらの角度を測定した結果推定されるアルベドの値と、直接アルベドを測定した値を比較することで、どのような方法で、どのようなモデルを用いれば精度が向上するのかを検証している。画像は実験風景。

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計測に使用した機器。

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鳥取砂丘における実験結果。実験では、衛星に搭載するような、アルベドを観測するためのセンサを用いた測定器具によって、北を基準に、太陽から15°、30°、45°と角度を変えながら観測するとともに、各波長の値をとり、日射計とあわせて全体の反射率を計算している。また、太陽の上からの放射と下からどれくらい反射するかを測定し、波長ごとに各種の帯域を組み合わせてBRDFを推定した上で、アルベドを導きだすこともしている。

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入力データの例。

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10個のモデルによるアルベド推定結果。実際に測定した真値と推定値の差を比較し、最もよいモデルを検証しているが、異なる日で測定すると、日にちによって傾向が違う。これを受けて、まだどのモデルがよいという結論はでていないが、外れ値を出すなどして、信頼性のある結果を得るための検証を続けている。

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どんなタネ?

高精度な気候変動予測に役立てることを目指して、衛星画像をもちいたアルベドの推定方法の改良、開発を行っています。アルベドとは、気候変動モデルにおいても使われる重要な指標であり、太陽光の放射エネルギーに対する地球等の天体の反射率です。アルベドは、太陽の角度や観測する衛星のセンサの角度によって値が変化するため、実際の値に補正する必要がありますが、このために使われる双方向反射率分布関数(BRDF)があります。しかし、BRDFにはさまざまなモデルがあり、砂漠や森林にあわせたものなど、全球で値を得たくても完璧なものがないという状況です。

そこで、BRDFを10通りのモデルで検証するため、鳥取砂丘をフィールドに、推定されるアルベドの値と、直接測定した値との比較を行いました。その結果、モデルによって変化がありそれがアルベドの精度にも影響するということが分かりました。また、日によって異なる結果が得られるなどの難しさもあり、信頼性のある結果を得るための努力を続けています。

なぜ研究を始めた?

リモートセンシングの分野で取り組んでいる研究の意味を深めたかったという思いがきっかけです。

学生の時は、全球の地図を衛星から作成する研究をしていました。その際、機械学習の手法開発に注力しており、アルベドは数値データとして扱っていましたが、特段着目していませんでした。しかし、機械学習のモデルを改良して精度をあげても限界があることを感じ、衛星画像といった扱うデータ自体の理解が必要だと考えました。そうして勉強を進めるうちに、反射率であるアルベドは、センサの角度によって見かけ上の値になることなどを知り、リモートセンシングをつかって研究をしていく限りは、そのようなセンサの特性を理解して、物理量をきちんと取り出したいと、現在のテーマにたどり着きました。

気候変動といった、物理的な過程に基づき組み立てられているモデルと、衛星画像からどのように物理的な意味を取り出せるかというところに興味をもって続けています。

なにを変える?

現在、気候変動の予測モデルはいくつも開発されており、それぞれのモデルによって、2、3度程度も結果が異なるといわれています。このくらい違うと、将来の農地の減少、増加ということ一つとっても全く異なる結果になるということです。これらのモデルが、世界各地で政策や意思決定に使われる可能性があることを考えると、アルベドはその中の一つのパラメーターではありますが、出来る限り確実な情報を得て、いかに高精度にマップを推定できるかどうかは重要であり、自分が貢献できることではないかと考えています。

まだこのテーマでの研究ははじめたばかりですが、物理的な過程の理解をより深めることで、モデルの組み立てをもう少し意味づけて構築できるようになり、サイエンスとしても新しい発見があると信じています。

なにが必要?

現在、具体的に困っていることでいえば、自分たちで鳥取砂丘の一か所をフィールドに検証していますが、それを地球全体の各地点ではもちろん、日本の中でも行うことは難しいということです。なかなか専門に研究している人が少ないテーマですので、もし、アルベドの推定を研究でつかっている方がいらっしゃったら、ご協力をいただけたらありがたいですし、私たちがご協力できることがあるかもしれません。衛星画像に限らず、アルベドの推定に関わることをされている方とは、ぜひ交流して、知見を交換していけたら嬉しいです。

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