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合成条件推薦システムによって、物質合成の法則を解明し、新物質発見に貢献したい!

RESEARCHER
右:La<sub>4</sub>V<sub>2</sub>0<sub>11</sub>というLa-Oからなる層とV-Oからなる層が交互に積層した層状の結晶構造を有する物質。 左:La<sub>7</sub>Sb<sub>3</sub>0<sub>18</sub>という複雑な組成と結晶構造を有する物質。

右:La4V2011というLa-Oからなる層とV-Oからなる層が交互に積層した層状の結晶構造を有する物質。 左:La7Sb3018という複雑な組成と結晶構造を有する物質。

新規無機物質の探索には非常に多くの組み合わせがある。この中で既知の物質は約5万種類であるが、未知のものの中でも合成できるものは一部であると考えられる。合成が期待される未知の組成の物質に対して、「どのような候補があるか」「どのように合成するか」の二つを課題として効率的に予測する必要がある。

新規無機物質の探索には非常に多くの組み合わせがある。この中で既知の物質は約5万種類であるが、未知のものの中でも合成できるものは一部であると考えられる。合成が期待される未知の組成の物質に対して、「どのような候補があるか」「どのように合成するか」の二つを課題として効率的に予測する必要がある。

合成実験では、合成条件と合成結果の間に何か繋がりがあると予測されるため、この繋がりを予測するモデルをつくることを考えた。それにより、材料開発の選択肢を増大するとともに、化合物の類似性に関して新たな発見が得られることが期待される。

合成実験では、合成条件と合成結果の間に何か繋がりがあると予測されるため、この繋がりを予測するモデルをつくることを考えた。それにより、材料開発の選択肢を増大するとともに、化合物の類似性に関して新たな発見が得られることが期待される。

新規物質の探索に利用できる「合成条件推薦システム」を構築するため、行列(テンソル)分解を用いることを考えた。行列分解では、行と列の各要素の関係性を既知のデータから推定し、データに潜む単純な構造を予測することが可能である。

新規物質の探索に利用できる「合成条件推薦システム」を構築するため、行列(テンソル)分解を用いることを考えた。行列分解では、行と列の各要素の関係性を既知のデータから推定し、データに潜む単純な構造を予測することが可能である。

行列分解を新規物質探索に用いることで、どのような物質であり、どのような条件で合成できるかといった、化学組成と合成条件について予測する「合成条件推薦システム」を構築した。

行列分解を新規物質探索に用いることで、どのような物質であり、どのような条件で合成できるかといった、化学組成と合成条件について予測する「合成条件推薦システム」を構築した。

合成条件推薦システムに利用するために、実際に合成実験によってデータを積み上げて、データベースの構築を行った。錯体重合法に加えて4つの合成手法を組み合わせ、それぞれ実験を繰り返し、どのような合成条件によってどのようなものが出来たという結果を蓄積したデータベースである。

合成条件推薦システムに利用するために、実際に合成実験によってデータを積み上げて、データベースの構築を行った。錯体重合法に加えて4つの合成手法を組み合わせ、それぞれ実験を繰り返し、どのような合成条件によってどのようなものが出来たという結果を蓄積したデータベースである。

錯体重合法では1542件、複数の合成手法では約824件のデータをもとに、数十万件の新規物質の合成条件の予測が可能になった。新規物質についても合成実験を繰り返し、データベースの拡充を引き続き進めている。

錯体重合法では1542件、複数の合成手法では約824件のデータをもとに、数十万件の新規物質の合成条件の予測が可能になった。新規物質についても合成実験を繰り返し、データベースの拡充を引き続き進めている。

二つの異なる原料で似たような物質ができることがあるが、研究者は、ある程度このような原料の類似性を予測して合成実験を行ってきた。しかし、人間の感覚だと、いつどのような条件で同じような合成結果が得られるか、定量的には分からない。

二つの異なる原料で似たような物質ができることがあるが、研究者は、ある程度このような原料の類似性を予測して合成実験を行ってきた。しかし、人間の感覚だと、いつどのような条件で同じような合成結果が得られるか、定量的には分からない。

構築したデータベースでは、物質の名前といった“数値”ではないデータも取り扱うことができ、それぞれの物質の類似度を学習し、予測することに成功した。

構築したデータベースでは、物質の名前といった“数値”ではないデータも取り扱うことができ、それぞれの物質の類似度を学習し、予測することに成功した。

構築したデータベースでは、物質の名前といった“数値”ではないデータも取り扱うことができ、それぞれの物質の類似度を学習し、予測することに成功した。

構築したデータベースでは、物質の名前といった“数値”ではないデータも取り扱うことができ、それぞれの物質の類似度を学習し、予測することに成功した。

構築したデータベースでは、物質の名前といった“数値”ではないデータも取り扱うことができ、それぞれの物質の類似度を学習し、予測することに成功した。

構築したデータベースでは、物質の名前といった“数値”ではないデータも取り扱うことができ、それぞれの物質の類似度を学習し、予測することに成功した。

「合成条件推薦システムによって合成しやすいと予測した物質については、実際に合成実験を行った。その結果、実際に合成して材料ができることに成功するとともに、機械による予測スコアが高いほど高い合成成功率であることが検証できた。

「合成条件推薦システムによって合成しやすいと予測した物質については、実際に合成実験を行った。その結果、実際に合成して材料ができることに成功するとともに、機械による予測スコアが高いほど高い合成成功率であることが検証できた。

2つの新物質La<sub>4</sub>V<sub>2</sub>0<sub>11</sub>、La<sub>7</sub>Sb<sub>3</sub>0<sub>18</sub>の合成条件を適切に予測するという成果も得た。

2つの新物質La4V2011、La7Sb3018の合成条件を適切に予測するという成果も得た。

2つの新物質La<sub>4</sub>V<sub>2</sub>0<sub>11</sub>、La<sub>7</sub>Sb<sub>3</sub>0<sub>18</sub>の合成条件を適切に予測するという成果も得た。

2つの新物質La4V2011、La7Sb3018の合成条件を適切に予測するという成果も得た。

右:La<sub>4</sub>V<sub>2</sub>0<sub>11</sub>というLa-Oからなる層とV-Oからなる層が交互に積層した層状の結晶構造を有する物質。 左:La<sub>7</sub>Sb<sub>3</sub>0<sub>18</sub>という複雑な組成と結晶構造を有する物質。

右:La4V2011というLa-Oからなる層とV-Oからなる層が交互に積層した層状の結晶構造を有する物質。 左:La7Sb3018という複雑な組成と結晶構造を有する物質。

新規無機物質の探索には非常に多くの組み合わせがある。この中で既知の物質は約5万種類であるが、未知のものの中でも合成できるものは一部であると考えられる。合成が期待される未知の組成の物質に対して、「どのような候補があるか」「どのように合成するか」の二つを課題として効率的に予測する必要がある。

新規無機物質の探索には非常に多くの組み合わせがある。この中で既知の物質は約5万種類であるが、未知のものの中でも合成できるものは一部であると考えられる。合成が期待される未知の組成の物質に対して、「どのような候補があるか」「どのように合成するか」の二つを課題として効率的に予測する必要がある。

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どんなタネ?

新材料の探索に対して、行列(テンソル)分解を用いた「合成条件推薦システム」という機械学習手法によりアプローチしています。新しい無機物質には単純な組成に限定しても数億以上の組成候補がありますが、そのうち既に合成されている物質は5万ほどしかありません。物質探索では、「どのような候補があるか」「どのように合成するか」という2つの課題に対して効率的に予測する必要があります。そこで、まず千件程度の合成結果を利用してデータベースを作成し、合成可能性を予測する機械学習モデルを作成し、数万〜十数万の未知物質についての合成可能性をランキング化しました。その上位300件を実際に実験したところ、2つの新物質の合成条件を適切に予測し、また、機械が合成しやすいと予測したものは、実際に実験でも合成できることを検証できました。

なぜ研究を始めた?

子どもの頃から宝探しが好きで、研究でも、誰も知らないものを知りたい、見つけたことがない物質を見つけたいと思って続けてきました。

新物質の探索には、100年以上多くの研究者が取り組んでいますが、どのようなものが安定なのかといった法則が体系的に十分解明されてきたとはいえません。多種多様かつ大規模なデータを集め、機械学習手法を適用することで、そうした物質合成空間に潜在する法則が明らかになっていくと期待しています。宝探しでだけで終わることなく、法則を支配している物理や化学を知りたいと考えています。

なにを変える?

社会的には、世界中の研究者が、それぞれ個別の材料的問題に対して行っている試行錯誤をなくしたいと思います。予測システムがあれば、ある物性の材料を作りたい時に、「どのように作るか」「できた新物質が何に使えるか」が、検索すれば同時にわかるようなことも可能になります。

また個人的には、合成研究者が感覚的に知っている「物質同士が似ている」とはどういうことか、単純な足し算では表現できない「物質を混ぜたときに何が起きるか」といった法則を見つけていきたいと考えています。材料研究では、例えば超伝導、太陽電池といった分野ごとに新物質の探索が行われています。そうした分野を超えて結びつけるような、物質の世界の根底にある法則を知りたいのです。

なにが必要?

現在、物質の合成はロボットを利用してある程度自動化することでデータの取得を進めていますが完全な自動化はなかなか困難です。例えばある装置から別の装置に試料を運ぶ際に、専用の大きな実験室があれば自動搬送機で運ぶことができますが、大学の環境では難しいのが実情です。ロボットと人間の協働には安全上の制約が多いため、一つの大きな建物に無人の作業環境が構築できればさらに効率があがります。

また、法律的な課題が生じることがあります。例えば、資格のある人間が操作することが定められている装置をロボットが操作してよいのか。こうした取り決めのない課題に対して、国などの機関とやり取りを進めるような支援体制があれば嬉しく思います。

さらに、同じ目標をもってチームに加わっていただける仲間も多く必要としています。

VIDEO MATERIAL
ロボットにより自動化した合成実験の様子
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健全な水環境に向けて、下水で社会の健康診断を。

井原 賢
工学研究科 附属流域圏総合環境質研究センター