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ジャンヌレの「都市の構築」から、愛郷心を創出する都市デザインの思想を読み解く。

RESEARCHER
研究対象である「La Construction des Ville(都市の構築)」の草稿が掲載された書籍。本草稿は、シャルル=エドゥアール・ジャンヌレ自身による出版は叶わなかった未定稿である。様々な都市の事例が五月雨式に挿入され、体系的には記述されていない。幾何学的な形態に対して批判的態度をとり、曲線や不定形なものをよしとしている。 ジャンヌレがその後ル・コルビュジエとして提案する、幾何学や秩序が支配的な、軸線にのっとった都市計画にどのようにつながるか、議論を呼んでいる。

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「都市の構築」の草稿が掲載された書籍が出版された経緯。 本草稿では、幾何学的な形態に対して批判的態度をとり、中世の都市計画への回帰を提案するカミロ・ジッテの理論を引用しており、有機的な曲線の道を称賛するなど、曲線や不定形なものをよしとしている。ジャンヌレがその後ル・コルビュジエとして提案する、幾何学や秩序が支配的な、軸線にのっとった都市計画にどのようにつながるか、議論を呼んでいる。

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近年、ル・コルビュジエと名乗る前のジャンヌレ時代の研究が盛んになっている。「都市の構築」に関する既往研究では、草稿の発見と成立過程、草稿執筆時の参照事例、また部分的に幾何学を好む思想の揺らぎの指摘などがなされてきたが、草稿の内容そのものへの議論は十分ではなかった。

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草稿では繰り返し「パルティ」という用語が現れる。本研究では、「パルティ」の語義が「都市構成要素の型」であることを指摘し、草稿の主題が都市構成要素ごとに展開されるパルティ論であることを明らかにした。 (画像は「街区」「広場」に関するパルティを整理したもの)

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街区、道、広場それぞれに展開される要素を抽出し、形態ごとに整理し、それぞれの評価、評価軸を導き出した。パルティの評価軸には視覚的・身体的観点(美を評価)と実用的観点(用を評価)の評価軸があることを指摘し、その思想的背景についても考察した。 それにより、ジャンヌレが提唱しようとしたであろうパルティ論の体系的な把握をし、一定の分類方法によって整理・体系化が可能であることを示した。 (画像は「道」)

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研究では草稿の執筆意図、究極目標について考察を行い、草稿の形態論が、ジャンヌレが究極目的とする「愛郷心」を創出するためのものであったことを明らかにした。愛郷心(patriotisme)とは都市への誇り、その場所で生きる喜びである。 本研究は、愛郷心の観念と、地域主義者としてのジャンヌレのより明確な全体像を建築史上に位置付けた。

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どんなタネ?

後にル・コルビュジェとして知られる建築家シャルル=エドゥアール・ジャンヌレが、1910年に執筆を行った未定稿「La Construction des Ville(都市の構築)」の研究をしています。

「都市の構築」は、故郷のラ・ショー=ド=フォンをはじめとする都市形態論のケーススタディを通じた、ジャンヌレによる最初の都市計画の研究です。ただしその内容は後のル・コルビュジエの思想とは大きくかけ離れていました。この草稿を読み解き、繰り返し表れる「パルティ」という用語が都市構成要素の型であることを解明し、街区、道、広場で整理をし、それぞれの要素の評価軸を導きました。また、その思想的背景として、本草稿を執筆した究極目標は「愛郷心」を創出するためであったことを指摘しました。

なぜ研究を始めた?

もともと植物やお花が好きで、先生に勧められたジャンヌレの研究を始めてみたら、面白さを感じました。ル・コルビュジェは近代建築の巨匠として知られています。機能主義に基づいた近代主義の態度をもったユニバーサルなデザインが特徴です。とはいえ、一見それとは矛盾する地域主義的な態度もあることが知られており、特にジャンヌレ時代には、自然を観察し、郷土的な思想をもった有機的なデザインを行っています。

ジャンヌレの故郷は、もみの木スタイル(サパン様式)、植物のデザインといった有機的なデザインにあふれています。このような前近代的デザインも好きですが、モダニズムに段々と変化していく過程にも大きな関心をもっています。

なにを変える?

ル・コルビュジェが提案した「300万人居住の現代都市」のような都市を構想し、近代で挑戦し、各地で繰り返されてきたのが現代とも言えます。こういうモダニズムの思想が構想される前に何が考えられてきたのか。高層ビルが立ち並び、それがスクラップ&ビルドされる現代において、もう一度前近代に立ち返ると参照しうるデザイン手法があるのではと考えます。

ル・コルビュジェには常に自然に関する着眼点がありました。いま、自然環境と調和する暮らしを考えるために、地域主義的な都市計画家としてのジャンヌレを近代建築史上に位置付け、ル・コルビュジェへの転換も含めて明らかにすると、大事な知見が得られるのではないかと思います。

なにが必要?

草稿はジャンヌレの母語であるフランス語で記されています。ただしジャンヌレは、多くのドイツ語圏の文献を使用して執筆していました。これらの文献を参照するために、語学の必要性を感じています。建築学の研究には建築や都市に関する知見をもって読まなくてはいけないため、AI翻訳では難しいのが現実です。

「愛郷心」の観念のルーツとして郷土保護運動など、ドイツ語圏の社会運動の影響があることがわかっています。こういった社会的な動きと、物理的な建築・都市とのつながりを調べたいと考えています。「愛郷心」は、地域分散、テレワーク、多少不便でも地方に暮らすということが推進される現代において、再び参照できる観点ではないかと考えています。

VIDEO MATERIAL
ジャンヌレの故郷ラ・ショー=ド=フォンの風景。植物など自然をモチーフにした有機的なデザインが見られる。
INTERVIEW
桂産直便
ジャンヌレの「都市の構築」から、愛郷心を創出する都市デザインの思想を読み解く。

2023.01.20

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