新しい車輪機構の研究をしています。近年開発した「普通の車輪で全方向移動ができる装置「Slidable-wheeled omnidirectional mobile robot(SWOM)」は、低振動・高耐荷重ながら高効率な移動が可能です。さらに、あらゆる車輪機構に共通する条件を理論的に研究しています。
子どもの頃から乗り物や車輪、機構が大好きでした。このSWOMは当初、別の用途だった機構が「全方向移動ができる」と気づき、開発に至りました。さらに、実験と理論による研究を進める中で、あらゆる車輪機構の運動の条件を解明したいと考えました。
低振動・高耐荷重で全方向移動ができるSWOMは、自律して動くロボットや乗り物の可能性を広げます。また、車輪機構の条件式により、「既存の機構では実現できない特性」が必要なとき、数式で考えることで新しい機構のデザインが可能です。つまり、ユーザー自身が必要な機構をつくりだすことも可能となりえ、新しいモビリティ社会が開けます。
世の中では「どのような機構が求められているか」を知りたいです。移動装置を使っている方などの協力を得て、現場のニーズや知識を踏まえて研究を進めることが必要です。また、SWOMを使ってみたい方や、ロボットソフトウェアに携わる方と連携ができれば、実用化に向けて前進します。