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アニオンに注目して新しい電池材料を開発し、エネルギー問題に貢献したい!

RESEARCHER
フッ化グラファイトは、その安定性と広い使用温度範囲から、信頼性の高い一次電池(使い捨て電池)の正極材料として利用されている。このフッ化グラファイトについて、フッ化度(黒鉛をフッ化する割合)を制御し、高電圧にも耐える電解液を選択することで、再充電を可能にすることに成功した。今後、二次電池材料としての可能性が期待される。画像は正極の断面STEM像。

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LiNi<sub>0.6</sub>Co<sub>0.2</sub>Mn<sub>0.2</sub>O<sub>2</sub>(NCM622)は、高い充放電容量と作動電位が魅力のリチウムイオン電池の正極材料として知られるが、界面において水溶液の分解により、サイクル特性が悪く繰返し使えないことが課題。分解を防ぐために、原子層レベルで薄膜を形成する原子層堆積ALDという手法を用い、Fドープ保護層を作製。50回繰り返し使えることを実現。既存の材料にアニオンを入れ改良、性能の向上に成功。

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LiNi<sub>0.5</sub>Mn<sub>1.5</sub>O<sub>4</sub>(LNMO)は、スピネル構造が特徴で、低コストと高容量の両立ができるリチウムイオン電池の正極材料だが、固体内でのリチウムイオンの拡散が遅い、焼成時に生じる不純物相が充放電反応を阻害することが知られる。今までイオンを入れる欠損を作り出すためにランタン(La<sup>3+</sup>)を入れる試みはあった。追加して硫黄(S<sup>2-</sup>)を入れた。共ドープ効果で、充放電容量の向上に成功した。

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LiNi<sub>0.5</sub>Mn<sub>1.5</sub>O<sub>4</sub>(LNMO)に対して、カチオン(La<sup>3+</sup>)とアニオン(S<sup>2-</sup>)のによる二つの効果(共ドープ効果)により、充放電容量を向上させることに成功。スピードも早くなり、また効率が落ちない充放電反応を実現した。

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リチウムイオン電池の課題は、リチウムが高価であること、また、電池としてエネルギー密度が低く電気容量が低いことであるといわれている。そこで、リチウムに置き換わる材料として、電気を貯めやすい性質のあるフッ素が注目される。リチウムが正極・不極を移動するのがリチウムイオン電池であるが、現在、フッ素を正極・不極の間でスムーズに動かせる電解液が見つかっていない。研究では、この「フッ化物イオンシャトル電池(F<sup>-</sup>)」おいて、F<sup>-</sup>伝導性のある新しい電解質の創製に取り組んでいる。

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フッ化物イオンシャトル電池は、高容量な蓄電池として注目されている。その固体電荷質材料はいくつも候補があるが、課題として高い作動温度が必要であり、新しい材料探索が必要である。そこで、同専攻の加藤先生と共同で遺伝的アルゴリズム法を用いて化合物の探索を行った。「安定で、作ることが可能な」材料であり、また伝導体として可能性の高い材料の探索を行った結果、新しいF<sup>-</sup>イオン伝導体を発見することに成功。材料に無数の掛け合わせがあるとき、この遺伝的アルゴリズムという手法は有効であった。

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どんなタネ?

従来型のリチウム電池の改善と、水系電解液を用いた次世代二次電池の開発を目指して、特にアニオンに着目をして研究をしています。

フッ化グラファイトは一次電池の正極材料として広く利用されていますが、このフッ化度を制御して、使い捨てではなく再充電できるようにしました。さらに、リチウムイオン電池の正極材料について、充電を繰り返した際の容量が低減する課題に対して、表面をフッ素化して保護層を作るなど性能を向上させることに成功。また、リチウムに代わり、フッ化物イオンが電池内で動くフッ化物シャトル電池は、高容量な蓄電池として注目されています。F<sup>-</sup>を伝導する新しい電解液を探すとともに、は遺伝的アルゴリズムの手法を用いて固体電解質材料の探索に取り組んでいます。

なぜ研究を始めた?

エネルギー問題は、人類が避けては通れない課題です。これまで、大学と企業の研究との違いを認識し、また外国籍の方、女性、文系の方と様々な方々と議論をしながら研究をする経験を経て、エネルギー問題に対する関心の高さと多様なアプローチの必要性を感じました。

リチウムイオン電池が実用化されてしばらく経ちますが、研究という観点では手詰まり感があるといえます。また、電池研究においては、“作りやすい”カチオンに対しては最適化が進んできたものの、作り方が難しいアニオンに対する取り組みは多くありません。そこで、アニオンに注目をすることで、これまでとは異なる研究が拓けると考えました。

なにを変える?

カチオンに着目してきた電気化学の分野は向上してきました。実用化でも大きな成果が出ています。しかしアニオンについては未解明といえ、この状況では全体を理解したことにはならないと考えています。いざアニオンに取り組むと、4分の1構成を変えただけでも、大きく効率が変わることがわかりました。

こうした一つひとつの取り組みを通じて、全体を理解し、その上で新しい材料設計につなげていくことを目指しています。

なにが必要?

私は実験屋なので、日々データをとっています。しかし、そのデータを閉じた範囲の中でしか評価してできていないのが現状といえます。

情報科学の分野の専門家の方々から知見を得て、AIを用いて、データを理解して蓄積して学習を進め、例えば「こういうところが探索の領域として興味深い」といったサジェスチョン機能をもとに、有望な材料であったら合成をするなど、“データ駆動の実験”が可能になれば、さらに研究は進展するでしょう。

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