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海底地盤から地すべりと津波のリスクを明らかにし、海のハザードマップをつくりたい。

RESEARCHER
海底にも斜面があり、陸上と同じように強い揺れがあると地すべりがおきる。それにより海水面に影響があり、津波が発生する。 2024年1月1日に発生した能登半島地震では、震源から離れた富山湾、富山県の神通川の河口にある富山検潮所にて、震源に近いところより圧倒的に早く、地震発生の16時10分の3分後に津波が観測された。

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震源から離れた富山検潮所にて観測された津波は、これは地震起源ではなく、富山県沖の海底斜面で海底地すべりが起きて、その結果の津波ではと強く疑われた。 実際に海底地盤による津波がおきると、あとから地震でできた津波と相まって、予想外に大きく、早い津波の到達がある。これは現在の津波予報に反映されていない状況である。

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富山湾の沖では、2010年に海上保安庁が海底地形調査を行っており、2024年、地震発生した直後にも行っている。この差分をとると、70~80mの落差で海底が削られ水深が深くなっていることがわかリ、今回の地震で地滑りが起きたのではないかと考えられた。

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富山大学の先生と共同研究で水中ドローンによる海底調査を行い。この地滑りが起きたと疑われる崖を撮影した。 海底地形は通常、風化で丸みを帯びていたり、色々な生物が巣穴をつくったりしているが、撮影された映像から刃物できったような鋭利な断面であることが確認できた。このことから、最近崩れてできた崖であり、この地震が原因であろうと結論づけた。

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水中ドローンで撮影した富山湾の崖について、船から採泥機をつかって海底地盤のサンプルを採取し、物性の評価を行った。海底で採取できるサンプルは限られるため、サンプルを壊してしまう、陸上地盤に対する土質試験で行うような圧縮試験などはできない。そこで、針貫入試験を行い、抵抗値を得て、それを既存研究の数値を照らし合わせることによって強度を推測した。その結果、予想よりも固めの粘土であるということがわかった。岩盤まではいかないが、泥ではない、岩になりかけている半固結の粘土が崩れたといえる。

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地盤の物性がわかったことにより、これまで陸上で得られている地すべりの種別等の知見を適用することができる。陸上斜面に対する地すべりの安全性評価は手法が確立されているため、そうした手法が海でも適用できることが期待される。また、似たような地形、似たような土質をもつ場所が他にもあれば、同定度の地震によって崩れるリスクがあるとも言える。海底地形から、過去に地すべりがおきたことが確認できる場所があるため、そうした地すべり頻発地域を予測することができるかもしれない。

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金沢大学の研究者が主席研究員として行った海底堆積物中の生物相調査にあわせて、海洋調査船「おしょろ丸」(北海道大学水産学部所管)にのりこみ、富山湾~能登半島南東沖にわたって海の堆積物をとり、海底地盤の調査も行っている。

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津波や洪水が起きると、海底地盤では表層の土が巻き上げられ、堆積構造が乱れたり、陸上から流れてきた土砂が急速に堆積したりする。そうした地層の堆積構造を調べることで、過去にどのようなイベントがあったかを推定することができる。調査計画に、今回の能登半島地震で海底地すべりが発生した富山湾も含めてもらい、海底地すべりによって崩壊した土砂を採取し、土質物性の分析も進めている。

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海底から得られる実際のデータは限られるため、数値シミュレーションによる研究も行っている。 水の中で土が崩れた結果、水がどのように動きどのくらい波が起きるのかについて、水の流体解析と土という個体の移動を組み合わせ分析している。

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最近では、海上保安庁の海底地形調査のデータを用いて、断面をきり、今回の富山湾で地すべりがおきた場所が崩れた時に、どのように水面に伝わり津波が発生するかのシミュレーションを行った。結果、富山湾の河口で検出された振幅に概ね整合していることが検証できた。

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海底地すべりのよる津波の発生について、基本的なメカニズムの解明に向けて、模型実験も行っている。 長さ1~2m、深さ60cm、幅40cmの水槽の中に砂を使って模擬斜面をつくり、この斜面が地すべりを起こすと、波が発生する。この波の挙動を表面にうかせた球の動きを追跡することで、地すべり運動と津波規模の関係について理解を進める。

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地すべり形態も色々ある。富山湾で起きた海底地すべりは、半固結粘土で構成された急斜面が崩壊する岩盤崩落のような様式であったが、この模型実験では、未固結で地盤が極めてゆるく、傾斜がゆるやかな斜面をモデルに分析を行っている。 画像解析によって波の速さや動きをみた結果、水の中で起きる地すべりの速さによって、波の起き方が変わることがわかった。斜面の高低差だけではなく、崩れるスピードも津波の振幅の大きさに影響を与えるといえる。

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2025年3月29日、富山湾神通川河口沖の海底地すべり跡で採泥したサンプル。半固結状態の粘土地盤であることが分かる。

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どんなタネ?

海底地すべりが引き起こす津波の発生メカニズムについて研究をしています。

2024年1月1日の能登半島地震では、震源から離れた富山湾で地震発生3分後に津波が観測され、これは海底地すべりの影響が強く疑われました。そこで海上保安庁の海底地形データの差分解析で海底が削られていることを確認した上で、富山大学や金沢大学の研究者と行った水中ドローンによる現地調査によって、今回の地震によって海底地すべりが発生したと結論づけました。また、船から採泥機をつかって地盤のサンプルを採取し、やや固結した粘土質の地盤が地すべりを起こしたことを解明。さらに2025年7月には、北海道水産学部が所有する練習船「おしょろ丸」に乗船し、能登半島全域の海底地盤の調査を行うとともに、数値シミュレーションや模型実験を通じ、津波発生の基本的なメカニズムを検証しています。

こうした、フィールド調査、実験、シミュレーションによる研究によって得られた海底地形や土質の情報を統合し、最終的には“海底地盤のハザードマップ”をつくりたいと考えています。

なぜ研究を始めた?

地盤工学、土質力学の分野で、地盤について、どれくらい強度があるか、地震が起きた時の地盤災害のリスクなどを専門に研究してきましたが、そのうちに、陸上から海底まで範囲を広げて、海の中の地盤に関心をもつようになりました。

ここ10~20年、海洋国家である日本の周辺海域には、天然ガスの主成分となるメタンハイドレートやレアメタルが豊富に分布するとして注目が集まっています。メタンハイドレートは、低温・水圧が高い環境で生成される物質であり、深海に多く存在しますが、採取する場合、まだ海底の地盤の状態がよくわかっていないという課題があります。学生の時はメタンハイドレートを中心に資源開発に興味があり、さらに洋上風力発電に掛かる海底地盤調査技術も視野に入れ研究をしてきましたが、その間に技術の発展により海底に人が少しずつアクセスしやすくなり、研究環境が整ってきました。そうした背景から、海底地盤災害、海底での地すべりなどを中心のテーマに据え、研究を進めることにしました。

なにを変える?

日本は海洋国家であり、水産資源が豊富なため、漁業を生業にしている方々も多くいらっしゃいますが、例えば海の中で地すべりが起きると、津波が起きるだけでなく、定置網が流されたりカニ籠がつぶれたりします。さらに海底に住んでいた底生生物が戻ってくることはなく、漁業に大きな影響が出ます。また、メタンハイドレートといった海洋資源開発に加え、洋上風力発電では海底にケーブルを設置する必要があり、そうした分野でも海底の環境の情報が必要になります。

海底地すべりと津波のリスクを明らかにし、海のハザードマップをつくることで、まだどうなっているか分かっていない海底の情報を、多くの方々に届け、貢献したいと考えています。

なにが必要?

現在困っていることは、海底の地盤に関するデータが極めて少ないことです。洋上風力発電やエネルギー資源開発の際には候補地で調査がされますが、民間企業のため情報が外に出ることは多くありません。一方、研究者が自分たちで船を出して調査をするには、多くの時間とお金がかかるため、海洋研究開発機構(JAMSTEC)のような大きな研究機関でないと難しいのが現状です。

現在、水中調査、海洋調査船、サンプルを採取しての物性調査、模型実験を別々の調査として行っていますが、それらを同時に実施することができれば海底地盤に関する研究が進むと考えています。例えば一つの水中ドローンで、撮影もして、針貫入試験のような土質調査もその場でできると、一度に情報を取得できます。ロボット工学といった専門外の知見が必要ではありますが、『海底地盤を、みる(カメラ)、きく(音波)、さわる(原位置での土質試験)』のような探査機器があったら嬉しく思います。さらにそうして得られたデータは公開し、沿岸部の自治体をはじめ必要な方々がアクセスできると、社会的なインパクトも大きくなるでしょう。

VIDEO MATERIAL
①水中ドローンにより撮影した富山湾。鋭利な斜面が確認できる。 ②地すべり津波模型実験。波の振幅の変化が確認できる。 ③海底地すべり-津波(あるいは乱泥流の発生)に関する数値シミュレーションの動画
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