桂モニュメント(クロックタワー)、プロムナード、事務管理棟屋上
高度経済成長期前後に建設された我が国の多くの社会インフラ構造物や建築構造物は、経年変化による構造物の性能低下に加えて、日本では特に地震等による災害・構造物の倒壊等による甚大な被害をもたらすとともに、日常生活が脅かされる事態が多く発生します。本研究では、高効率MEMS(Micro Electro Mechanical Systems)振動発電デバイスを桂キャンパスの構造物に3点実装し、変位・振動モニタリングによる的確かつ低コストで構造物の状態を把握できる常時型モニタリングシステムの実証研究を行います。
先行研究の結果、構造物が有する固有振動数に対して、分解能が1Hz以下となる狭帯域に特定の監視周波数を設定して、MEMS振動発電デバイスからの出力電圧に閾値を設けることで、無電源での異常振動検知システムを構築することに成功しています。さらに、予め設定した振動挙動(振幅・加速度・周波数)に対する閾値に基づいて、地震時応答に基づくイベントドリブン-ウェイクアップ機能を付与することで、地震時被災検知システムへ発展させられると考えています。以上により、自己動作(発電)する振動発電MEMSデバイスを神経系のように無数に組込まれた自律的に安心・安全を監視・確保するキャンパス施設を具現化し、地震等の災害発生時を想定した突発型の緊急アラートシステムの構築を目指します。
※2022年1月~3月に桂キャンパスでの実証実験を予定しています。