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チップ上で血管網を構築し、生体材料のものづくりをする。

RESEARCHER
マイクロ流路デバイスに血管網が構築されている様子。マイクロ流路デバイスは、細胞を培養し血管網を構築する土台となる。ポリジメチルシロキサン(PDMS)という、ソフトコンタクトレンズにも使われている材料でつくられている。生体適合性があり、柔らかく曲がる。

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三次元組織へのオンチップ血管網構築を行う。灌流可能な血管網の上で組織モデルを培養する。

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マイクロ流路デバイスの上で培養する様子。 PCT/JP2020/025358 国際公開番号:WO2020/262656

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血管網を構築するマイクロ流路デバイスの構造。上の層に臓器の細胞をおき、下の層で血管の細胞を育てる。間にある流路で培養液や薬剤を流す。

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血管網の蛍光画像 。緑色蛍光タンパク (GFP) を発現する細胞を利用し、蛍光観察を行った。

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蛍光イメージングにより可視化した動画。青が細胞核、緑が血管を構成する内皮細胞の細胞体。赤は撮影した領域の外枠。細胞同士が固まって管腔を形成している様子が見える。(ページ下部に動画があります)

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どんなタネ?

マイクロ流体デバイス内での血管網構築技術の開発を行っています。微小な流体デバイスをつかい、小さな流路内で細胞を培養することで血管の構造を再現することに成功しました。がん細胞が血管を呼び寄せる時のタンパク質の振る舞いなど、体内で起こっている現象を体外で再現して、細かく観察することで、その仕組みを研究しています。また今後、癌細胞以外の臓器の細胞についても、生体内に近い環境で、細胞同士や薬剤に対する応答を解析できるシステムを構築したいと考えます。将来的には望んだ形の血管網を構築したり、血管の壁をより生体に近い状態にしたりすることで、酸素や薬剤を臓器や細胞へと血管を通して送れるようにすることも課題です。

なぜ研究を始めた?

もともと機械系でロボットが好きで、アクチュエーターなどさらに細かいものから作りたいという思いがありました。機械的な加工でつくれる細かさや複雑さには限界があると感じ、生体材料に着目しました。

細胞は、平べったいシャーレで培養していると管のような構造はできませんが、生命科学の進展とともに体の中に近い形を作り出すことができるようになってきました。機能を伴った本当の三次元組織を作るためには、遺伝子やタンパク質の理解に加えて、物理的・機械的な設計も必要だと考えています。微細なデバイスを利用した物理的な環境の制御や解析を細胞を培養する技術と組みあわせることで、機械工学の技術をいかしたいと思います。

なにを変える?

社会的には、薬剤の開発への貢献が期待されています。動物実験は倫理的な課題があり、細胞実験では生体内と近い環境構築に課題がある中、これらの課題を解決し、効率的、効果的な薬剤の評価を可能にします。

また個人的には、小さな人工物のものづくりに期待しています。細胞が環境に対応して色々な形を変えていく、この環境を設計で規定していくことができれば、今までの機械系は異なる、生体材料に近いものづくりが発展するでしょう。

なにが必要?

自分が面白いと思うだけでなく、生命分野における位置づけを把握することが重要であり、そのためには、薬剤がどの細胞に効果があるか、実際の臨床で使われている薬剤はどれか、また発生生物学の関連など、複数の分野を総合して見渡せる方の協力が必要です。また現在は細胞培養に必要な培養液の交換、顕微鏡画像を解析し評価する方法などの多くを手作業で行っています。今後は、産業での応用に必要な大規模な開発だけでなく、研究の段階でも効率化のための技術開発が必要であると考えています。この点からは、画像処理を体系立てるなど、情報処理、情報技術との連携も必要になっていくと考えます。

VIDEO MATERIAL
蛍光イメージングにより可視化した動画。青が細胞核、緑が血管を構成する内皮細胞の細胞体。赤は撮影した領域の外枠。細胞同士が固まって管腔を形成している様子が見える。
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