桂図書館、桂生協など
製造工場で発生する端材を利用した台車の上に棚モジュールを組み合わせることで様々な用途に利用できる新しい家具システムを開発しています。木材の端材・廃材・残材を活用することで、資源を無駄なく利用し廃棄物を減らしていく試みでもあります。
CLTパネルにキャスターをつけた「コロコロ転がるCLT」それがCoLoTです。 CLTとはCross Laminated Timberの略で、木の板(ひき板)を繊維方向が直交するように積層して接着した厚い木のパネルです。学校や集合住宅など大きな建物を木造化することができ、森林資源を有効活用できる可能性があることから、地球環境負荷の小さい社会の実現のためにいま注目されている建築材料の一つです。
本プロジェクトでは、CLT等の木材を無駄なく使うことを目指し、製造工場や建設現場で発生する端材や廃材を調査したうえで、端材や廃棄物の寸法に即したモジュール体系で家具をデザインしました。
CoLoTは二つのパーツからできています。
【下部CLT台車】上面にモジュール取付用の穴、下面にキャスターを有する、平面寸法は 30x90cmで厚さ90-150mmのCLTパネル。上部に棚モジュールを取り付けられるほか、台車単体でも鞄置きなどに利用できる。プロトタイプではCLT工場で製品検査の際に定期的に発生する端材を再利用している。
【上部棚モジュール】下部CLT台車に取り付けて使用するほか、単体使用もできる。正方形をもとにした、ユニバーサルな規格の「基本ユニット」はCLT台車との接続と同様、積み木のように相互に配置換えが可能。また、基本ユニットの寸法を超えた特殊サイズのユニットも場面に応じて製作できる。2022年度に製作したプロトタイプでは、研究室のパヴィリオン建設プロジェクトで使用した合板の廃材・残材を再利用し、小見山研究室内で、あるいは製作に携わった研究メンバーの自宅で、使用テストを行ってきました。より多くの方にCoLoTを「実際に買って使ってみたい」と思ってもらえる製品としてブラッシュアップしていくために、今年度は家具工房と共同して製作したより精度の高いプロトタイプを、桂キャンパス内の公共空間に設置していきます。
施設の運営者目線とユーザー目線でのフィードバックを集めたいと考えていますので、キャンパス内で見かけたらぜひ使ってみてください。