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“熱トランジスタ”の開発を目指して熱マネジメントと熱計測技術により近くて便利な熱のコンビニエンスストアを作る!

RESEARCHER
現状、断熱として熱を逃したい場合は、熱伝導率の悪い素材を使う。一方、放熱したい場合は、フライパンなどに見られるように、金属など熱伝導率の良い材料を使う。そこで、同じ材料で状況に応じて、断熱/放熱を動的に切り替えることができるデバイスを発想した。いわば「熱のトランジスタ」である。これを目指す過程で、発生した熱エネルギーを回収する「エナジーハーベスティング」と、熱の流れ、温度を検知する「センシング」の両面からデバイスの開発を進めている。

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熱伝導の支配的な要因は、フォトン・電子と、正孔・スピンである。 これらの中でも電子や正孔を電気的に制御することで、電気伝導率を変調できる可能性があると考えた。キャリア変調するためには、材料の厚さが薄い材料が必要だが、通常、電気を通す金属材料は分厚すぎて制御がしにくい。

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そこで、結晶構造があり、薄い原子層材料で、金属と同等の電荷キャリア密度を有する材料「マキシン」を用いて、熱伝導率を動的に変調できる薄膜シートを作製できればというアイデアを着想した。

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マキシンの薄膜の作製。MAXというセラミックス材料を粉砕し、電解・エッチング処理を行うことで、層状の材料ができる。これがマキシンである。この段階では、もともと含まれていたアルミがまだ間に残っているため、これを剥がして一層の薄いマキシンにするため独自の処理を行う。これをスプレーコートすることで透明導電薄膜の作製を実現した。

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現在は5ナノメートル程度の厚さまでを実現したが、さらに一層か二層の極薄薄膜作製を目指して研究を進めている。 なお、作製したマキシンの透明導電膜を用いて、イオン液体を用いて電気二重層形成をすることにより、キャリアの動的制御を実現できる可能性を示した。現在、数十ナノメートルの金属薄膜で電気伝導率を10〜20%変えることは確認できている。将来的には、電気伝導率を変調することで熱伝導率を0%、100%と切り替えられるようにすることを目指している。

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天然資源が乏しい日本においては、いまだ多くの熱が未利用と言える。特に半導体分野は、世界的に拡大する市場だが、さらなる集積化で熱マネジメントの重要性が高まっている。しかし、ナノスケールでの材料の熱伝導率、材料間の界面での熱輸送現象は未解明だ。 そこで、私たちの技術を活かして、材料の熱伝導率計測を通じて正確な物性値を提供し、改良提案するとともに、高精度な解析が可能な熱設計・熱解析ツールによって貢献をしたいと考えている。

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ナノスケールで3次元の熱伝導計測か可能な「周波数領域サーモリフレクタンス装置」を開発した。加熱・温度センシングの位置制御を行い、XY軸の方向の制御を実現。また、レーザー周波数変調によって熱浸透の深さを制御している。さらに、光学系と検出器の変更、ノイズ対策によりZ方向の精度を向上することに取り組んでいる。 現状、世界最高レベルで、薄い対象物の熱計測を3次元で測れるようになっている。起業との連携により、この熱計測装置の販売も行っている。

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熱伝導計測技術一覧。私たちの強みは、非接触・接触、小さいスケールから大きなスケールまで、世の中にある熱計測手法のほぼすべての熱計測・AI熱解析に関する技術を有していることである。スピントロニクス、バイオなどの分野で大学からの熱解析依頼もあり、また産学連携も複数社と実施している。

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左:金属型二次元材料「マキシン」のサンプル(溶液) 中:粉体のマキシンに処理を加えて開発した透明導電膜。電気を通し、熱伝導率の制御が可能。 右:金属型二次元材料「マキシン」の分子構造

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開発した「周波数領域サーモリフレクタンス装置」。薄膜の熱伝導計測が3次元で可能であり、すでに社会実装が進んでいる。

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どんなタネ?

熱マネジメントによる省エネルギー技術の確率を目指しています。現在、断熱と放熱には、それぞれに適した材料が使われていますが、同じ材料で断熱/放熱を動的に変更できるデバイス、いわば“熱のトランジスタ”を作れないかと考えています。

新しい金属材料のマキシンを用いて、熱伝導率の主な要因である電子・正孔をすることで、熱伝導率を電気的に制御できる薄膜を開発しました。また、この開発の過程でそもそも熱を計測する必要性が生じたことをきっかけに、精密な熱計測技術の開発にも取り組んでいます。周波数領域サーモリフレクタンス装置を開発し、ナノスケールの厚さの薄膜の3次元による熱伝導率の計測をすることに成功。主に半導体分野での産学連携による応用を進めています。

なぜ研究を始めた?

天然資源が限られる日本では、エネルギーをどのように使っていくのかは最大の課題の一つです。熱はエネルギーの最終形態であり、熱エネルギーの有効利用はとても重要です。

大学時代から熱に関する研究をして、民間企業で半導体開発に携わった経験もあります。熱は古い分野ですが、熱工学・電子工学を専門とする自分だからこそできる、熱計測と熱マネジメントによって、新しいことに挑戦したいと考えています。

私たちの強みは、非接触・接触、小さなスケールから大きなスケールまで、世の中に現存するほぼすべての熱計測・AI熱解析手法を有していることです。近くて便利な熱のコンビニエンスストアのような存在になりたいと考えています。

なにを変える?

自分が生きている間に、何らかの技術をつくり、社会実装して、役立てたいと考えています。

技術は使われてこそ活きてくるものです。誰かの役にたってほしい、そして、社会のニーズに合ったものを開発したいと思います。

そういう想いをもちながら発想した「熱トランジスタ」ですが、あまり夢物語ばかりを目指す訳にもいきませんので、その実現の手前で役立つような技術として、熱計測技術の開発や金属材料マキシンを使った熱伝導率の制御などに取り組んでいます。

現実的にどこまで実現できるか分からなくても、大きな目標をもちながら、その過程で、自分ができること(熱計測やナノ材料を用いたデバイス開発など)によって社会に技術を届けていきます。

なにが必要?

「人」が必要です。一緒に志を一つにして、頑張ってくれる仲間は多ければ多いほど嬉しいです。私たちの研究グループのメンバー、博士課程でも、学生でも、また企業などの外部の方も、このプロジェクトを進める中では何よりも「人が大切」と痛感し、感謝しています。一緒に研究を進められる人にもっと集まってもらえることで、実現できる可能性も高まります。そのためにも、自分自身が人に集まってもらえるような人間でなくてはいけないと思っています。年齢や立場に関係なく謙虚に接することを心掛け、日々取り組んでいます。

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健全な水環境に向けて、下水で社会の健康診断を。

井原 賢
工学研究科 附属流域圏総合環境質研究センター